祖母が施設に入所して1年経ちました

お久しぶりです。
祖母がグループホーム(以下GH)に入所してそろそろ1年。
なので現状と過去を振り返って今だから思うことなどを少し書こうと思います。

■祖母の現状
今も同じGHにいます。

元々体は丈夫な方らしく、認知症以外に特に具合の悪いところもなくいたって健康。股関節手術のリハビリをしなくなったのでその分足腰は弱くなったかもしれないけど、その点はシルバーカー(老人車)を使っているのでカバーできているようで。使い始めたのは精神科入院時にそれまで使っていた杖の持参を拒否されたから。病院で老人車を借りたらそのまま自分のものだと思い込んでしまうようになったので新規購入した。杖は使い方次第で凶器にもなりますw

肝心の認知症関連の方はというと、あいかわらず私に対する物盗られ妄想や癇癪はたまに(?)あるようで。GHの職員さんがすごく私に気を使いながら報告してくれるが私は慣れてるのでどうということはないw

GHでは仲のいい入所者さんもできたようで仲良くやっているらしい。外出したり施設内でイベントがあったりと、おそらく家に引きこもってた時期よりリア充してるんじゃないかと思われる。


■祖母に対して行っていること
実のところ、入所以来祖母に面会したのは片手ほどもない。物盗られ妄想が相変わらずあるので会うとそれが酷くなりそうな気がするからだ。実際、入所後初めて送迎のために会ったとき、祖母は興奮して気分が悪くなった。GHに必要以上の迷惑をかけるわけにはいかないのだ。
そんな私は何をしているかというと、連絡係や常用薬の運搬係。
定期的に主治医から薬を処方してもらって届ける、何か変化や気になることがあれば主治医に伝える、そんな程度。ほかは消耗品の補充とか。どれも職員さん経由で渡してもらっている。
たまに母が祖母を主治医に診せに連れて行ってもいる。その時に足の爪を切ってもらったりもしている。なんでも高齢になると爪が硬くなったり巻き爪になったりで、専用の道具がないと手入れしづらいのだとか。主治医は内科がメインですが、皮膚科でももちろんやってくれる。
あとはGHでのイベントに母が出席するぐらいかな、正直ほとんどGHにお任せ。


■当時を振り返って
虐待、ネグレクト、傷害、殺人、どれにもならなくてよかったとホッとしている。ほんとこれにつきる。警察とかにはほんとに迷惑かけたなと思うし、お世話にはなったけど犯罪的な意味でお世話になる羽目にならなくてすんでよかった。もう少し祖母に寄り添ってあげられたらなとか、やさしくできたらな、なんても思ったけど、私の性格上、そもそも無理な話だったwクールを飛び越えてドライなんです、私wユマニチュードとか流行ってるけどそんな状況じゃない。その時考えられた手は全部打ったと思うし、立てたフラグは回収前にたいてい折られていたので、あれが私の能力でできる精一杯。ブログにはあの程度しか書いてませんが、手術で入院したときや退院後から同居までも結構大変だった。夜が恐いと病院に呼び出されてそのまま泊ったり、家でも一人は嫌だと泣きつかれたり。帰らないでくれと土下座されたこともあった。でもまあ認知症について書こうと思ってた手前、省略。
あと、同居開始直後、ガスコンロが壊れてしまったためIHコンロに変えた。ボヤは絶対避けなきゃいけなかったからいっそ壊れてくれてちょうどよかった。


反省点として頑張りすぎて裏目に出たことがいくつかあった。

まず、契約、申請もろもろを私が一人で頑張りすぎたこと。母はそういうのがあまり得意ではないし通院してるので時間が限られてたというのもあったけど、なんというか一人でやりすぎてしまった。仕事をしてる感覚になっていたようだ。「あー次の打ち合わせでアレとアレを確認しなきゃなー」なんてリストアップしていたり。当時は最短ルートで物事を片付けたかったんだろうけど、仕事じゃないんだから自分で自分を追い込むなよ、もっと肩の力抜けよ、と今となっては思うw

もうひとつ。親戚に言われたことの方がショックだった。
 「どうしてお母さんからじゃなくakie_candyから聞かされなきゃいけないの?」 と。
各所からの連絡先が私になっていたこともあって、親戚への重要事項の報告は主に母からではなく孫の私がしていた。一番状況に詳しいし、行動力もあったので私が事務的にやっていたが、祖母のGH入所後に親戚に言われたこの一言にはすごくショックだった。
確かに祖母の事だから娘である母が報告するのが道理といえば道理。でも、私としては報告を欠いて後から文句をつけられる方がよっぽど嫌だったから逐一報告したのに裏目にでてしまった。あー、でしゃばり過ぎたんだなーと。それ以来、親戚への連絡は数こそ少ないけれどすべて母に任せている。傀儡万歳wというか正直親戚とは当分口もききたくないw

脱線すると、この件で「遠くの身内より近くの他人」、「餅は餅屋」という言葉の意味をとてもよく理解できた。介護は我が身に降ってくるまでどれだけでも綺麗事が言える。おそらく年輩の人ほど。自宅で身を粉にして介護するのが当たり前の世代だからね。施設なんてとんでもない、という人も多いだろう。でも敢えて私は言う。経済的に余力があるならどんどん「プロ」の手を借りてほしい。同居人以外で手を借りるなら断然プロ。
精神科入院前、週2で訪問看護師さんが来てくれていた。主治医の紹介で認知症などの高齢者のメンタルケアに実績のある人だった。「身内の恥をよそ様に愚痴るなんて」的な世代の祖母が、看護師さんに絶大な信頼を寄せ、私のことを愚痴っていた。なぜ愚痴る相手が母や親戚ではなかったのか。私はその役を母にやってほしくて物盗られ妄想の被害者を引き受けた。だが愚痴の内容は物盗られ妄想に代表されるあることないことなので、真偽を知っている母や親戚に愚痴ると説き伏せられて挙げ句キレてしまう。だがプロはそれをしない。否定をしないのだ。なので祖母は絶大な信頼を寄せた。一番の味方と認識したのだ。当然看護師さんは介護者にも理解があるのでどちらの癒しにもなってくれた。相手に寄り添い、絶大な信頼を得る、これがプロの仕事なのだ。あと、この看護師さんを紹介してくれた主治医、さすがの人脈である。前のブログでデイサービス選びに失敗したという話を書いたが、あれは私がパンフレットから近所だという理由がほとんどで選んだだけなのだ。私の都合と祖母の都合は違うし、重視すべき課題は餅屋の方がよくわかる、それがよくわかった。素人が考えて決断するのはすごくエネルギーのいること。そもそもその決断は正しいの?決断する前に相談だけでもその負担が少なくなることもある。プロには経験がある。知識も人脈もある。プロに相談してみることを心の底から勧める。


■私の現状
介護からほぼ解放されたので基本的には平穏を取り戻している。
ただ、「泥棒」という言葉に過敏になってしまったようで、不意に聞くと頭に血が上ることがある。それに気付けてからはすぐ収められるようにはなったがある種の呪いのようになってしまった。
あと祖母はキレたときに簡単に八つ当たりする手段として襖や障子を力いっぱい閉めていた。私としてはもともと嫌いな音だったが、どうにも苦手になっていて、襖、障子その他を閉めるときはほんとに静かに閉めるようになった。
他には前述の通り、親戚への連絡事項は母に任せることにしたぐらいだろうか。飼い猫とたまに遊びに来る野良猫と平穏に過ごしている。


■今後の懸念事項
祖母は車の免許を持っている。認知症なので当然もう運転はさせないが、車の処分、免許証の更新についてどうしようかと思っている。
車の方は廃車手続きをしたのでただの鉄の塊なのだが、祖母の所有物なのでさすがに勝手に売れないし、売るにしても相談しなきゃいけないのが一苦労なのでとりあえず先延ばし。
免許は一応高齢者講習をパスした上で更新となるので間違いなくそこでひっかかって更新はできなくなる。あと、免許の返納制度があるのでそうしようかとも考えている最中だ。返納すると身分証として使える運転経歴証明書をもらえるらしいのだが、本人が免許センターとかに出向かないといけないのかなーなんて考えるとなかなかの重さのあるイベントだw母はそのまま放置して失効でもいいんじゃないかと言ってるけど、意図的にそうしたんだとバレた時が一番ややこしい。ちなみにもう少しで免許更新のリミットである。

あと、祖母がいつまでGHにいられるかについてだが、入所時に入所者の退所条件を確認したところ、大きく3点あった。念のため、施設単位でいろいろ条件は異なると思うのでこればかりを信用するのは禁物です。
・怪我や病気で入院が必要となった場合
・家族と暮らす場合や他の施設へ移る場合
・他の入所者への迷惑行為等がある場合
らしい。祖母の場合一番気にしないといけないのがおそらく3つ目だろうなと思っている。ただし、そういう場合は精神科の医師が「うちの病院で預かります」と言ってくれていたので、まぁ最悪追い出されても同居の必要はないのである。
あ、あと当然入所費の滞納も条件に含まれるのだろうけど特に言及はしていなかったw


■おまけ
祖母のキレっぷりを記録するExcelの表、家系図を作ったと前回のブログで書いたが、実はもう一つ作ったものがあった。手術前後から近況にいたるまでのサマリーをペライチで作ったのだ。祖母の状況を知らない人(精神科医師、GH)に最初にExcelと家系図と一緒に提出した。いちいち説明するのがホントに面倒だったのと、その方が内部で情報共有しやすいかなと思ったから。実際GHの人は家系図も含めてありがたがってくれていた。

意外と注意したいのが認知症患者を自家用車で送迎する時。
祖母は精神科を退院し、そのままGHへ向かう手筈になっていた。家に寄ると一悶着ありそうだったから。あと車中で祖母を二人きりというのに少し不安を感じていたのでGHに相談した。するとGHの職員さんも病院から一緒に来てくれるというので、GHの車に祖母を乗せてほしいと頼んだ。結果は大正解で、祖母は車中で私のことを刺し殺してやるとずっと言っていたらしい。祖母を自分の車に乗せていたら最悪横からハンドルを切られて事故ってたかもしれない。自損ならまだいいが、対人とでもなったらこの上ない最悪だ。キレやすい状態の認知症患者を車に乗せるというのは結構危ないのである。ちなみにGHの職員さんも2人で来てたので運転者は運転に集中できていた。

医師に祖母を診てもらった時の話。医師は大体患者に質問をする。それは体調だったり、本人の思い出だったり。認知症患者本人はそれに答えられないことがある。結構な頻度で。で、横にいる家族に答えを求める。家族は「医師に質問されてるんだから答えなきゃ」と思い、代わりに正しい答えをあっさり返してしまう。
・・・ダメ、ゼッタイ。
医師は別に患者の過去を知りたくて質問してるわけじゃない。患者の病状を知ろうとして質問している。患者は自分が答えられないのを取り繕うために正しく答えられる人間に返答を任せてしまい、その場をやり過ごすのだ。他の病院のやり方はわからないが、祖母の受診時、付き添いの私は先に別室に呼ばれ、認知症の具合と祖母の人となりを聞かれた。そんなもん聞いてどうするんだろうと思ったけど、問診で答え合わせするためだった。問診の間、私は祖母の後ろで無言で祖母の話してる内容が事実かどうかをリアクションしていた。あくまでもかわりに答えてはいけない。首振り人形に徹するのだw医師は答えてほしい人の方を向いて質問をする。そこを間違えてはいけない。たとえばアレルギーとか持病とかそういう命にかかわることはさすがに家族にも確認する。実際、若かりし頃の祖母が受けた手術で麻酔にアレルギーが出たことがあったらしいのだが、それが祖母と母の何気ない会話から発覚した。なんとそれは股関節の手術前日だったw
おまけの最後に。介護はお金がかかる。入院にしてもデイサービス等にしても施設の入所にしても。公的サービスをいろいろ利用してほしい。祖母と母(人工透析をしてます)が今まで利用してきた制度は、限度額適用(祖母、母)、特定疾病療養(母)、身体障害者(母)、重度障害者(母)、介護保険(祖母)、医療費控除(祖母、母)です。正式名称が怪しくて申し訳ない。そこそこの規模の病院にはソーシャルワーカーがいて、そこらへんの制度のプロなので遠慮なく相談してほしい。小難しい話をされると思うけど、そこは耐えてw印鑑を持っていくとその場で手続きできちゃう場合もあっておすすめ。
余談ですが、人工透析患者は障害年金をもらえるとかなんとかという話。診断書や意見書を集めてさらに申請書類にするのも結構な作業量だった。早くマイナンバーが各所に普及して電子カルテとも連携して障害年金の申請とか楽にならんもんかなーなんて思うSEだったり。医師が意見書を手書きしてたのを見てなんというかすごくアナログで非効率だなーと思う反面、診断書は電カルからの出力なのにこれで文書料同じなのかーとか思ったりなんともいえない気分になったwついでに限度額認定とか勝手にシステムが判断して申請不要にしてくれないかなーとも思ったりもする。高額療養費で結局戻ってはくるのだが。入院なり通院なりしてる人が役所に行くのって結構大変なケースがある。
あと最近認知症の保険サービスもできるらしいのですがそちらはよく知りません。認知症になったら保険金がもらえるとか、認知症が原因の事故等の補償とかいうのではなく、手続きのサポートなのかな?契約や申請関係の負担を減らしたい場合はいいのかも。そのために各所を駆けずり回った記憶があるので、そこを丸投げできるのなら介護に専念できそう。いや、保険の内容はきちんと保険会社に確認してね。



これで思いつくことはとりあえず全部書いたかな。
また何かあったら追記なり新エントリするなりします。
ブコメで暖かい言葉をかけてくださった方、ありがとうございました!ちょっと報われた気がします!

では(・ω・)ノシ