祖母がインフルエンサーになりまして(前篇)

グループホームにいる祖母がインフルエンザになりました。

 

火曜日の夕方、「祖母が熱を出したから病院に連れてってほしい」と連絡がきた。

その日の昼ごろから38℃ぐらいの熱を出していたらしい。

マスクを持ってくるように言われた。時節柄必須なのだ。

風邪かぁ、と思って迎えに行って、職員さんと少し話をしたら

「隣の部屋の人がインフル・・・(ぽそぽそ)」

と嫌な予感をさせる会話が聞こえた。

この時点でしっかり確認しておけばよかったのだが、実は隣の部屋の人が既にインフルエンザを発症して入院していたのだ。 ちなみに予防接種は1週間前に済んでいたそうだが、どうにも間に合わなかったようだ。グループホームの最寄りの小学校で学級閉鎖があったらしいのでおかしくはない事態なのだ。

 

かかりつけの病院で「そういえばインフルって聞こえたような・・・」というと、看護師さんに発熱時間とか詳しく聞きたいと言われたのでグループホームの職員さんと電話で直接話してもらった。薬の都合で症状の経緯はとても重要な情報なのだ。

 

(インフル確定だったら家に帰ってくるのか・・・マジか・・・悪夢・・・)

人工透析患者の母は偶然にも骨折で入院している・・・感染したら最悪死ぬし・・・不幸中の幸いか・・・)※免疫がめっちゃ弱いので感染しやすく、かつ重篤化しやすい

(帰ったら真っ先に猫を隠さないと・・・バレたら捨てられる・・・)

 

などと考えながら検査キットの綿棒を鼻に突っ込まれる祖母の頭を押さえながら考える。

結果は陽性。A型だった。「残念でした」と明るく言われ崩れ落ちてしまった。「orz」というのを素でやるとは思わなかった。

発熱時間から計算すると薬で対処できるらしいので「イナビル」という薬を吸入した。

年齢的に吸入できる力があるか不安があったので、練習用の笛(吸って音が鳴る)で試し、問題なさそうだったためイナビルを服用。看護師さんがその場で面倒をみてくれた。また、タミフルとかは何日も服用し続けないといけないので、認知症の祖母には向かない薬だった。

(翌日私も吸入するのだが・・・ゲロマズで吐きそうだった・・・おかげで軽くて済んだけど)

その間にグループホームや母、親戚関係に連絡したりなんやらで意外と冷静に対処していた気がする。

グループホームに戻って祖母の日用品や常用薬を受け取り、帰宅。

グループホームからは「1週間は預かれません、そういう契約だもん」と告げられた。わかってるさ、わかってたもん・・・

 

そういえば、祖母、認知症なんですよね。

家に帰った途端「家が全然違う!なんやこれ!」とオカンムリ。予想通り。

どさくさに紛れて猫の痕跡を消し、他のごたごたも撤去し、とりあえず怒りを収めてもらった。

「うわー、ピンピンしてる、普通に認知症患者がインフルエンザ持って帰ってきただけじゃーん、これは先が思いやられる・・・」と思った。

ところが、ピンピンしてたのはオカンムリの時だけで、それ以外の時は立ってるのも危なっかしいぐらいよたよたとしていた。なんだったら畳に寝転がったが最後、一人で立ち上がるどころか起きあがることすらままならない。

入所前はどうだったかというと、股関節手術のリハビリで筋トレしてたから割と歩けていた。オカンムリの時なんかは私に体当たりしたり胸倉を掴む力があるほどの素晴らしい足取りだった。なるほど、この状態がそのまま悪くなっただけだった。要介護度もあがるわけだわ。

落ち着いたのを見計らって食事させ、寝床の用意をしてゆっくりしてもらっていた。

薬様様である、夜には熱は36℃ぐらいにまで下がりほっとした。

 

さて、初夜、祖母はどうしていたかというと・・・

階下から助けを求める声がする。どうやら家の中を探検し、途中で力尽きてひっくり返って立てなくなっていた。不謹慎にもひっくり返った亀みたいだと思った。

立てないと言うので、引っ張り起こしてなんとか部屋へ戻す、これを朝までに3回繰り返した。当然こっちは寝られるわけがない。

 

猫はというと、私と一緒に別の部屋で寝ていたのだが、異変を感じ落ち着かなくてずっと私の周りをうろうろ、いなくなれば鳴いて戸を開けて出てくるわで、いつ祖母に見つかってもおかしくない状態だった。これが最大の心配事だった。実際2度ほどニアミスした。しかも私の睡眠を妨害するなんともかわいい毛玉なのだ。1週間の精神的修行を控え、煩悩は少ない方がいい。また、何より睡眠不足は理性の崩壊への近道となるのは経験していたので、翌日にペットホテルに預けた。1週間のお別れである。すまない、慣れない場所が大嫌いなのはよく知ってたんだけど・・・帰ってきたらまた一緒に寝よう。

 

以降はキレたり亀になったりの繰り返しで今に至るわけだが・・・

最大の難関があった。下の世話だ。

少し前からグループホームは紙パンツや紙オムツへの移行を試していたのだがなかなかうまくいってなかった。

それに加えて亀である。トイレが間に合わない!

・・・着ていた服は当然ながら、畳が・・・畳が・・・という状態になっている。

問題なければ来週火曜にはグループホームに戻せるので、その後畳を新調します・・・

以前から痛んでいたのでいいキッカケになったとおもうことにする。

しかし、ペットホテル1週間と8畳の新畳・・・出費が痛いですな!

 

というわけで続きはまた後日!